∽19∽ 青き星の戦士
立食形式ということもあってか、あちこちで談笑のざわめきが聞こえる。
「おい、昼からラウンジでQ博士の腹芸が始まるってよ!」
「あ、でも昼は食堂でお汁粉の配給が始まるんだろ?どっち行く?」
「じゃあ、汁粉食べながら腹芸見たらいいじゃん!」
ってなことを言い合いながら、クレイの横を近藤と川村が駆け抜けていった。
この日の為にQ博士が、何か秘密の特訓を始めていたことを思い出す。
何度尋ねても、博士は笑顔で「秘密じゃよ」と暈かしていたものだが……
腹芸、か。
どんな物なのか全く想像もつかないが、あとで少し覗きに行ってみよう。
コクリと一人で頷き、クレイはさらに春名の元へ接近する。
彼女は友達と話し込んでいるようだ。
ざわめきから拾い出した会話は、このような感じであった。
「ね、春名。プレゼントはいつ、誰に渡す予定?」
先ほどから、しきりに尋ねているのは瞳。
彼女自身も誰かに渡すつもりなのか、小さな箱を片手に握りしめている。
「え~、秘密!その時になってからの、お楽しみっ」
などと暈かす春名に「いいじゃん、教えろよ~!」と秋子も絡んでいる。
多少お酒も入っているのか、ほんのり上気気味である。
「春名が教えてくれたら、あたしも教えるから~」
しつこい二人に溜息をつくと、春名は「じゃあ……」と瞳の耳元でボソボソ。
途端に「あ!ズルイ、あたしにも教えてよォ」と秋子が騒ぎ出す。
そんな三人を、遠目に見ている奴がいる。
晃と猿山だ。
猿山は今日の為に取り寄せたのか、青いスーツに身を包んでいる。
ビシッと着こなしているとは到底言い難く、どちらかといえばスーツに着られているといった方が正しい。
晃は変に着飾ったりせず、いつもと同じ普段着だ。
淡い緑のセーターにズボンを履いていた。
二人は二人だけで何か話しているようだが、ここからでは聞こえない。
「秋子はダメ~。だって、絶対しゃべるもん。他の人に」
いたずらっぽく微笑む春名。
「あっははは、信用ないなぁ!秋子は」
先に秘密を教えてもらった瞳は、遠慮無く笑い飛ばす。
秋子はブゥブゥと文句を言っていたが、不意にニヤリと笑う。
「じゃあさ、あたしの先に教えるから、交換ってことで教えて?」
春名の耳元でボソボソ、途端に春名の顔が「えっ!」となった。
「秋子はクレイに渡すんだとばかり思ってた……違うの?」
うっかり小声でヒントを漏らせば、秋子にシッと窘められる。
「最初はそう思ってたよ?でもさーやっぱさー、あいつとは友達じゃん?色々面倒見てもらったしねぇ。これは、お礼代わりってことで」
少し決まり悪そうに、彼女はポリポリと頬を掻いた。
秋子のプレゼント相手は、どうやら同窓生のうちの誰かのようだ。
春名は、結局誰にプレゼントを渡すつもりなのだろう。
気になって仕方がない。
クレイはさらに、春名へ近づこうと一歩踏み出した。
――途端。
『では、紹介しましょう!我等が青き惑星、地球を守る戦士を』
いきなりマイクでU博士が叫び、場の視線がクレイに集中する。
『青き星を守る戦士、その称号ブルーを持つ戦士!ブルー=クレイッ!!』
スタッフが一斉に拍手し、クレイは頭上からスポットライトで照らされる。
中には「ヨッ、クレイ!この男前~」などと掛け声をかけるスタッフも。
場の盛り上がりにつられたか、子供達からも拍手や黄色い声があがる。
「キャ~!クレイ、素敵ィィ」などとノリノリに叫んでいるのは、美恵だ。
負けじとヨーコも声を張り上げている。
「おに~ちゃん、抱いてェェ!」
いきなり始まった紹介に当人だけがついていけず呆然としていると、U博士が横に並んでクレイの背を軽く叩いた。
『ブルー=クレイは、Q博士の研究所で誕生しました。心暖かいスタッフ達に本部で育てられ、優しさと強さを身につけたのです。どうか皆さん、彼と仲良くしてあげて下さい!』
再び沸き起こる拍手と歓声。
見れば、猿山や春名も拍手している。笑顔で。
猿山にはライバル宣言された覚えもあるのだが、今はそれも問題ではないのか。
クレイの周りには、あっという間に人だかりが出来た。
スタッフが次々に彼へ声をかける。
「クレイ!二十一歳の誕生日、おめでとう」
「これからも頑張れよ!俺達がついてるぞ」
「Q博士にも後で言っといてね、おめでとうって」
つまり今日はクレイの誕生日でもあり、だからU博士は彼にスポットをあてたのだ。
囲んでいるのはスタッフばかりではない。子供達、特に女子が群がっている。
「クレイって、今日が誕生日だったんですね!じゃあこれ、プレゼントですぅ~」
グッと堅い箱を胸に押しつけられる。押しつけてきたのは美恵だ。
今日も耳に沢山のイヤリングがジャラジャラ鳴っている。重たくないんだろうか?
『ありがとう』と彼女に御礼を言っている側から、別の箱が差し出された。
「クレイ、これ、あげる~。クリスマスと誕生日、両方のプレゼントだよぅ」
雲母のプレゼントは、平べったくて薄い。恐らく中身はハンカチの類だろう。
雲母へ礼を言う暇もなく、次のプレゼントが渡された。
「お・に・い・ちゃ・ん。お誕生日、おめでとうっ」
ちゅっと生暖かいものがクレイの頬にあたる。ヨーコがキスしてきたのだ。
途端に女子がキーキーキャーキャー騒ぎ始め、場は騒然とした。
「ちょっと!何してんのよ、この変態!」
美恵がヨーコの髪の毛を掴んで引きずり離すが、ヨーコとて黙って従う女ではない。
バッと振り払い、殺気走った目で美恵を睨みつけた。
「誰が変態よ!心のこもったプレゼントじゃない!!」
一部の連中がバトルに入る中、有吉が近づいてきてクレイに話しかける。
「ブルーっていうのは名前じゃなかったのね。じゃあ、クレイが本名なの?」
『そうだ。ブルーはQ博士が俺に与えてくれた、戦士の称号だ』
「それで、クレイ……何ていうの?ファミリーネームは」
重ねての問いかけに、クレイは首を振った。
『ファミリーネームというのは名字のことか?なら、俺には存在しない』
「存在しない?」
眉根を寄せて訝しがる彼女へ、再度答える。
『俺には家族が存在しない』
「……そっか。研究所育ちの人工人間だっけ?ブルーは」
『あぁ』
「でも」と、有吉は真っ向から彼を見据えて言った。
「それなら育ての親であるQ博士が、あなたの家族になるんじゃない?」
『それを言うなら』
クレイは周囲を見渡してから、はっきり彼女に断言する。
『スタッフも全て俺の家族ということになる。俺は誰の名字を借りればいい?』
クレイが二十一歳の誕生日を迎えられたのは、Q博士一人の功績ではない。
U博士も紹介したように、スタッフ全てが彼を育ててくれたようなものだ。
意外な答えに面食らったか、しばし言葉を失った有吉であったが、やがて笑い出す。
「家族が多くて大変ね。じゃあ当分、私はあなたのことをブルーって呼ぶわ」
『名字で呼びたかったのか?』と尋ねるクレイに、彼女は頷いた。
「えぇ。私、男性の名前を呼び捨てにするのって、あまり好きじゃないの」
そして軽く会釈をするとクレイに別れを告げた。
「パーティー、お互いに楽しみましょうね。それじゃ」
ヨーコと美恵達のバトルは、人垣に囲まれての大イベントと化していた。
本来の目的対象であったはずのクレイすら無視した白熱っぷりだ。
その横を駆け抜けて、パタパタと近づいてくる少女が二人ほど。
先ほどプレゼントを渡し損ねた、残りの者達だろう。
「クッ、クッ、クレイ!これ!あげます!!」
力が入りすぎて緊張しすぎな恵子が、サッと大きな箱を差し出す。
今日はパーティーで特別な日、という意識が強すぎるのかもしれない。
初対面の頃のほうが、よっぽどリラックスしていたようにも思う。
「あたしも、これ~。他にあげる人もいないんで、とりあえず」
さりげなく失礼にも聞こえる言い分で、優もプレゼントを手渡した。
「あはは、一応仲間になった記念品ってことで!」
なんと優のプレゼントは、包装紙はおろか箱にすら入れてない。
男らしい外見そのままな、さっぱりとした手渡し方だ。
優からもらったのは、軍手が十二枚。一応、きちんとゴムで束ねてある。
「なんかさ、整備が好きって聞いたから。それでいいよね?」
屈託無く優が笑い、クレイも笑顔で頷いた。
子供達から実用品をもらえるとは、思ってもみなかった。有り難い。
『今日仲間になった皆さんには、素敵なプレゼントをご用意しています。パーティーの最後にお配りしますので、最後までご参加下さい!』
U博士の言葉で、会場は子供達の歓声に包まれる。
ヨーコと喧嘩していた美恵達も、喧嘩を忘れて大喜び。
その隙を狙って真喜子はヨーコへ近づくと、にっこりと箱を差し出した。
いや、押し出した。
箱は手で持てる大きさではなかったからだ。床にドッシリと置かれている。
「ヨーコ様。どうか、これを受け取って下さいませ」
その異常なサイズの大箱に、ヨーコの眉も跳ね上がる。
「な、ナニヨ、それ?中身、何?まさか重油じゃないでしょうね?」
「まさか。でもヨーコ様のご趣味が判りませんでしたので、私の趣味で選ばせて頂きました。とても可愛らしいですわよ」
お嬢様は、ころころと笑い、自ら箱を開いてみせる。
すると箱の中身から、サッと何かが飛び出した!
「きゃ!」
思わず顔を庇うヨーコの胸元に、一直線で飛び込んでくる小さな白いもの。
「かっ かわい~い!」
ヨーコ以外の女の子達から一斉に、黄色い声があがった。
目を瞑ってしまったヨーコも恐る恐る目をあけ、胸元にしがみつく物を見る。
ふるふると震える、小さな白い毛玉。
いや、小さな子犬だ。
「……い……ぬ?」
そっと抱き上げると、子犬は、ひゃん、と小さく吼えた。
「生まれたての子犬ですわ。お好きな名前をつけて可愛がってあげて下さい」
子犬は、つぶらな瞳でヨーコを見つめている。
そういえば昔、親にねだって犬を飼ってもらおうとしたことがあったっけ。
あの時は無下に駄目と断られて、夜中まで泣きはらしたんだった。
「ありがとう!大事にするわねっ」
素直な一言がヨーコのくちから飛び出し、周りが唖然とする中、真喜子だけはニコニコと微笑んでいた。
クレイが春名の元へ近づけた頃には、猿山に先を越されていた。
否、春名はずっと猿山に掴まっていた為、クレイの元へ行けなかったのだ。
「で、でさ。大豪寺もプレゼント、用意してあるんだろ?何なんだ?中身は」
単刀直入すぎる質問に、春名も困っているようだ。
相変わらずデリカシーのない奴である。
その傍らでは、晃が有吉と談笑中。
普段あまり一緒にいるところを見ない二人だが、意外や話は弾んでいるようだ。
「んと……誰にも言わないって約束してくれる?」
真っ赤になりつつ春名が小声で確認するのに、猿山は勢いよく頷いた。
「中身はね……」
ボソボソと耳打ちされて、猿山の瞳が輝く。
「やぁっぱソレかぁ!うん、大豪寺なら、そうくると思ったぜ」
猿山でも予想できる中身なのか。
クレイには全然予想できず、少し悔しい気がした。
会場では、誰とも話せず一人孤立している者も何人かいる。
倖も、そういった者達の一人であった。
ぽつんと皆とは離れた席に座り、Q博士の腹芸を眺めた後、スタッフの一人とBGMの件で盛り上がる吉田を羨ましそうに見つめた。
吉田純一は、学生時代から社交的な少年であった。
年齢性別関係なく話しかけることができ、すぐ打ち解けるのも得意とする。
自分にも、ああいう特技があったら。
手元の小さな箱に目をやり、倖は、そっと溜息をついた。
「よっ、どうした?暗いんじゃないかィ、カノジョ」
いきなりポンと背後から肩を叩かれ、彼女はビクッと跳ね上がる。
怯えた目で振り返ると、そこには見慣れぬ金髪男性が一人。
いや、スタッフの一人だろう。スーツの胸には名札がついている、『ルイ』と。
年の頃はクレイよりも上と見える。多分、二十後半ぐらい?
「驚かしちゃったかな?俺はルイ、ここのスタッフで機器点検を担当してる」
軽い調子で挨拶し、爽やかな笑顔を見せた。
「君は?」
「え……あ…………み、水岩、倖……です………」
おどおどと視線を逸らし小声で答えると、聞こえづらかったのか尋ね返された。
「え?なに?ハッキリ言ってよ、聞こえない」
「水岩! 倖! ………です」
今度は耳元で怒鳴ってやったら、指でグゥの形を作られた。
「OK。よく聞こえた。サチね。いいじゃん、サチ。可愛い名前だ」
可愛い名前。
あまり言われたことのない褒め言葉に、倖の頬は一気に紅潮した。
「で?サチは、何ぼーっとしてんの?勿体ないよ、せっかくのパーティーなのに。誰か好きな奴は、いないの?あ、ブルーは人気あるから別の奴狙った方がいいぜ。例えばピートとか……俺、とかな?」
にやっと笑われ、倖の口元も笑みで綻んだ。
「あ………ふふっ」
「ははっ。やっと笑ったな、女の子は笑顔が一番だ」
ぽんぽんと気安く倖の頭を撫でてから、ルイは再び爽やかに微笑んだ。
「せっかくのパーティだ。勇気出ないかもしんないけど、こんな日ぐらいは弾けたって、誰も文句言わないと思うぜ?ガンバロッ」
簡単に弾けられるなら、こんなところで悩んでいたりなどしない。
それでも、ルイの応援は嬉しくて。倖の心に暖かいものが広がってゆく。
ルイへ頭を下げると彼女は立ち上がり、エレベーターへ向かう。
手にはプレゼントを握りしめて。
春名は、まだ猿山に独占されていた。
彼は延々と他愛のない、どうでもいい雑談で会話を引き延ばしている。
対する春名も一応受け答えはしているのだが、誰がどう見ても彼女は上の空。
視線もちゃんと猿山を見てるわけではなく、どこか退屈そうであった。
不意に、その退屈な会話が途切れる。
おや?と思った春名が猿山を見ると、彼は一つの箱を取り出していた。
心なしか、頬が赤い。汗もかいているようだ。もしかして、緊張している?
「あ、あ、その、ゴホンッ!あのさ、そのさ、大豪寺……」
「な、何?」
いつもと様子の違う猿山に、春名も思わず緊張してしまう。
「こ、これ!「受け取って下さい!!」」
猿山の声と、誰かの声が綺麗にかぶる。
「ん?」と猿山が声の主を振り返れば、そこには箱を差し出して、ぷるぷると震える倖の姿があった。
「水岩?なんだよ、俺にコレくれるの?」
倖は猿山の顔も見られず、まっすぐ下を向いている。
彼の問いに、やっと顔をあげたが、その顔は緊張でガッチガチに強張っていた。
「大切にしてあげてね。サッチの思いがこもった手作り品なんだから」
横合いから、スーちゃんこと有吉の声がする。
晃と話していたはずの彼女は、猿山を真っ直ぐに見つめていた。
「お、おう。ありがとな?水岩」
笑顔で受け取ってもらい、倖はロクな返事もできないまま、くるりとUターン。
猿山が何か言うよりも早く、脱兎の如く逃げ出していった。
「あ、ちょ、水岩!?……なんだよ、逃げるこたないだろーに」
「……きっと、恥ずかしかったんだと思うな」とは、春名。
「恥ずかしい?俺に渡したのが恥ずかしいってか」
意味を取り違え、ぶぅとふくれる猿山に、春名は苦笑する。
「そうじゃなくて。彼女は猿山くんに、あげたかったんだよ。他の誰でもなくて、猿山くんじゃないと駄目だったの」
その言葉を。
倖ではなく、春名に言って貰えたら。
きっと猿山は今ここで死んでも構わない、とさえ思ったことだろう……
ふと、差し出しかけていた箱に気づき、春名の手にポンと手渡した。
「あぁ、そうだ。水岩の登場で忘れるとこだったけど、これ。プレゼント」
気負って渡しても、春名は気づくまい。このプレゼントに込められた思いなど。
ならいっそのこと、冗談交じりで渡した方が気も楽だ。
「え?ホント? ありがとうっ、大切にするね!」
満面の笑み。悲しいが、嬉しい。
たとえプレゼントなど貰えなくても、この笑顔で俺は充分だ――!
と、悲観に暮れる猿山の前に、差し出されたのは一つの小箱。
「へ?」
きょとんとしていると、春名が言った。
「これ、代わりに。秋生くんと同じもので悪いんだけど、猿山くんにも」
「え……嘘、俺に?マジ?うっ、うをぉぉぉ!やったぁ!!」
思わずガッツポーズの猿山に、春名はくすくす笑ってる。
「やだぁ、猿山くんってば大袈裟なんだから」
秋生君と同じもの、というからには、友達全員に用意していたのだろう。
本命用とは別に、友達用として配る為のプレゼントが。
何もプレゼントは一人一つと決められているわけではない。
ピートだって、先ほどから女の子達に宝石を配り歩いているではないか。
有樹の周りにも人だかりが出来ている。
彼の周りは、同窓生の姿もあれば若い女性スタッフの姿もあった。
クレイには「あげる人もいない」と言っていたはずの、優の姿も見える。
いないのは本命だけで、友達にあげる用は全員分しっかり用意していたらしい。
逆に、男性に群がられているのは、ヨーコと真喜子だ。
真喜子は笑みを絶やさず受け取っているが、ヨーコの態度はそっけない。
「こんなもの、いらないわ」とハッキリ拒絶する言葉も聞こえてきた。
貰って困るものでもなしに、受け取ってやればよいものを。
いや、中には受け取って困るものも混ざっているのかもしれないが……
ともあれ、やっと春名に声をかけるチャンスが巡ってきた。
『春名。話がある、少し時間をくれないか?』
クレイが声をかけると、猿山も春名も笑顔で御祝いを述べてくる。
「あ、クレイ。お誕生日おめでとう!」
「二十一か~、どんどんオッサンになってくな。おめっとさん♪」
『……ありがとう』
「話って、何?ここじゃ駄目なの?」
尋ねかけて、見る見るうちにクレイの顔が曇っていくのを確認すると、春名は慌てて前言撤回した。
「うん。判った、それじゃ……どこで話す?」
『ついてきて欲しい』
彼はまっすぐ歩いていく。
そちらには、クレイ達パイロットの私室や司令室しかないはずだが――
「ちょっと行ってくるね」
心配そうな猿山に一声かけると、春名はクレイを追いかけた。