少女はネット小説を趣味としていた。
やがてSNSを通して有名になり、一定数のファンがつくようになった頃、おかしな噂が流れるようになった。
「ねぇ、これ、AIで打った小説だよね」
「うん、AIっぽい」
最初は女子高生の他愛ない独り言だった。
それがまるで事実のように扱われるようになり、少女のSNSにも大量の誹謗中傷が届くようになった。
どれだけ違うと彼女が叫んでも、人々は弁解もAIの文章だと受け取った。
携帯は鳴り続け、そのほとんどが誹謗中傷のリプを告げる通知だった。
そして、彼女が作品を消しても誹謗中傷の通知は止まなかった。
ある日。
彼女のSNSには、こんな文章が流れ出た。
「このアカウントを見てくださっている皆様へ。Aisaは3月11日に亡くなりました。突然のことで、私たちもまだ悲しみに暮れています。このアカウントは一ヶ月後に削除します。今までAisaの小説を読んでくださって、ありがとうございました」
人々は、この文章もAIで打ったと信じて疑わなかった。
そして彼女を記憶から消し去った。
-おしまい-